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JCBが「Smart Code」を今春から提供 コード決済の標準化目指す

2019年2月21日8:00

ジェーシービー(JCB)は、一般社団法人キャッシュレス推進協議会の規格に準拠したQRコード・バーコード決済(コード決済)のスキームである「Smart Code(スマートコード)」の提供を、今春より開始する。コード決済事業者と加盟店をつなぐ情報処理センターを提供する一方で、コード決済事業者・加盟店間の加盟店契約の一本化を行う。「Smart Code」には、メルカリの関連会社「メルペイ」が参画を表明したほか、JCBが5~10社程度の関連事業者との連携交渉を進めているという。(ライター:小島清利)

「キャッシュレス推進の一翼を担いたい」
汎用的なQR・バーコード決済スキームを表す「共通ロゴ」を策定

ジェーシービー イノベーション統括部長 久保寺晋也氏は記者会見で、「官民でキャッシュレスを進めていこうという動きに対し、その一翼を担いたい。コード決済については、今は競争ではなくて協調が必要」と述べ、乱立するコード決済仕様の標準化を主導していく考えを示した。

ジェーシービー イノベーション統括部長 久保寺晋也氏

「Smart Code」の規格については、バーコードの表示は、キャッシュレス推進協議会が公表した「コード決済に関する統一技術仕様ガイドラインCPM(消費者提示型)に準拠している。今後策定されるQRコードの統一技術仕様についても、公表され次第対応する予定。MPM(店舗掲出型)についても、今後開発を検討する。

利用範囲は日本国内の対面加盟店を想定しており、まず、国内専用のスキームとして立ち上げる。スキーム認定の「情報処理センター」を経由し、センターで生成される売上データに基づき、スキーム運営者で精算する。

採用コードは、QR・バーコード(BC)の双方をサポート。BCはCode128、QRはBase64エンコードを想定している。JCB指定のデータレイアウトでバーコード19桁、QRはEMVフォーマット。決済IDは16桁(JCB保有IINを使用)、セキュリティデータ3桁。

汎用的なQR・バーコード決済スキームを表す「共通ロゴ」を策定し、スマホ画面上のQR・バーコード表示においては、各事業者のサービスブランドと共通ロゴを表示し、会員、加盟店が目で見たときの見やすさ(視認性)を高める。

「Smart Code」スキーム概念図

加盟店の負荷軽減「5年間で数十万規模目指す」
国際的な標準規格EMVを準用

従来、コード決済事業者が加盟店を増やすには、加盟店契約を締結し、その都度導入開発を行う必要があった。「Smart Code」に参画することで、すべての「Smart Code」加盟店で個別の契約・導入開発を行うことなく利用を開始することが可能になる。

JCBは、2019年から加盟店網の開拓を行う。クレジットカードの決済端末網を提供する日本カードネットワークなどとの連携により、コード決済の導入開始から完了までスピーディーな対応を目指す。5年間で数十万店舗の規模を計画している。

久保寺氏は、「加盟店にとって、コード決済導入負荷が軽減されることを重要視した」と話す。従来、コード決済に対応するには、各コード決済事業者と個別に加盟店契約を締結し、それぞれ環境整備を行う必要があった。「Smart Code」加盟店になれば、「Smart Code」へ参画するコード決済事業者のコード決済がすべて取り扱い可能になるとともに、設置端末や精算が一本化される。

また、「Smart Code」は、国際的な標準規格である「EMV」を準用しているため、加盟店は海外のコード決済を導入する際に必要なシステム対応負荷を軽減することができるという。

QRコード・バーコード決済が普及するための課題とは?
1年かけて「Smart Code」開発のめどをつける

コード決済をめぐっては、金融機関だけでなく、決済以外の事業を本業とするコード事業者の参入も相次ぎ、多数のQR決済ブランドが市場に林立する状態。店舗にとっては、無料・低単価端末・ネットワークへの支持が集まっているが、QR決済比率が高まるとPOSへの機能集約などの新たな課題にも直面している。

JCBは、QRコード・バーコード決済が普及するための課題として、アプリの立ち上げなどの操作スピードなどの「会員利用の壁」と、レジスピードや定員教育、導入負荷などの「加盟店の導入・オペレーションの負荷」、不正利用や情報漏洩などの「セキュリティ」の3つがあると考えている。

JCBは2018年2月、加盟店の負荷軽減や消費者にとって使いやすく「安全・安心な決済」を実現するために、コード決済の汎用的な枠組みの構築に着手し、1年かけて「Smart Code」の開発にめどをつけた。

久保寺氏は、「これまでクレジットカードやデビッドカード、電子マネーなどを展開し、最適なオペレーションやセキュリティなどの経験を生かしていく」と話し、コード決済の標準化に意欲を示した。