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第一興商、「ビッグエコー」がカラオケ店のスマホ決済の先導役に

2019年3月19日8:30

「ビッグエコーエポスカード」の発行で特典や送客で成果

カラオケルーム「ビッグエコー」などを運営する第一興商がスマートフォン決済の導入を加速している。2018 年6 月13 日から、「LINE Pay」を一部店舗へ導入した。また、2018 年11 月に「楽天ペイ(アプリ決済)」を一部店舗へ導入したのを始め、同年12 月には、「PayPay(ペイペイ)」の取り扱いを開始した。さらに、「WeChat Pay」や「Alipay」も一部店舗で導入している。今後は、全国のビッグエコーへのQR/ バーコード決済の導入を目指す。

業界内で先行してスマホ決済に取り組む
効果を見極め、POSとの連動も視野に

第一興商グループが運営する、ビッグエコーをはじめとしたカラオケボックスは国内に536店舗(2019年1月末現在)あり、国内店舗数は業界トップを誇る。主要ブランドのビッグエコーが生誕30周年を迎えた2018年、これを記念したサービス強化の一環として、スマホ決済の導入などICTを活用した消費者の利便性向上や店舗運営のさらなる効率化に乗り出している。

第一興商 店舗事業推進部 営業推進課 課長
鈴木敬之氏

第一興商 店舗事業推進部 営業推進課 課長 鈴木敬之氏は、「政府がキャッシュレス化を推進する方針を掲げており、スマホ決済は遠くない将来に浸透すると予測しています。業界内で先行して取り組みたいです」と意欲を示す。

すでに、ビッグエコーでは、「LINE Pay」、「楽天ペイ(アプリ決済)」、「PayPay」の国内のスマホ決済に加え、「WeChat Pay」「Alipay」も試験的に導入している。楽天ペイは店舗フロントに設置のiPadにQRコードを表示させて、来店客がスマホに読み込む方法で、そのほかの手段は、来店客のコードを店舗のiPadに読み込む。

スマホ決済導入による来店客の反応について、鈴木氏は「カラオケ店はグループで来店するケースが多く、割り勘の場合は現金払いになることが多いです。しかし、PayPayの大規模なキャンペーンの後、ユーザーが増えたためか、スマホ決済も徐々に増えています」と想定以上の効果を上げているという。また、「一部のスマホ決済には、割り勘(送金)機能もあるため、カラオケ店のキャッシュレス決済としては親和性が高いのではないでしょうか」と考えている。各事業者がサービスをPRすることで、送客につながるメリットもある。

現在は導入店舗を絞り込んで、試験的に導入しているが、効果を見極めたうえで、全店舗に拡大していく方針。さらに、POS(販売時点情報管理)との連携を想定。多様な決済に1つのバーコードスキャナで対応させるため、POSの改修についても検討している。

「ビッグエコー」では「PayPay」など積極的にQR/ バーコード決済を導入している

 

キャッシュレス決済にいち早く対応
エポスカードとの連携で送客につながる

第一興商は、従来から、電子マネーの「Edy(現在は楽天Edy)」を導入し、楽天Edyとは会員証機能搭載のカードで連携している。また、NTTドコモの「iD」をはじめ、クレジットカード決済などを導入するなど、キャッシュレス決済への取り組みは早かった。

なかでも、クレジットカードでは丸井グループの「エポスカード」との提携カード「ビッグエコーエポスカード」を発行している。ルーム料金の割引や、クレジットカード精算によるエポスポイントの付与などの特典があり、ビッグエコーへの送客でも成果を上げているそうだ。また、他の「エポスカード」会員の送客も見込める。同社では、従来の電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済も継続していく方針だ。

キャッシュレス戦国時代にマルチで対応
POS対応でオペレーションも簡素化

スマホ決済を提供する業者の数は増えており、今後淘汰が進むことも想定される。鈴木氏は、「全方位でキャッシュレス決済サービスを見ながら、マルチ対応を進めていくのが基本戦略」と話す。集客施策、ユーザー数、手数料などの条件を総合的に判断していく方針だ。

キャッシュレス決済の選択肢を増やすことが、消費者の来店動機になりうるため、積極的にマルチ対応を進める。鈴木氏は「スタッフのオペレーションについては、iPadを立ち上げるひと手間は必要ですが、POSとの連動が完了すれば、クレジットカード決済で金額の確認やサインをいただいたり、現金決済で現金を数えたり、お釣りを支払う手間と比べると、オペレーションは効率化するはずです」と期待する。

また、2019年のラグビーワールドカップ日本大会や2020東京五輪・パラリンピック、2025年の大阪万博など国際イベントが目白押しで、第一興商では、インバウンド(訪日外国人)の対応も急いでいる。鈴木氏は、「都心の店舗と地方の店舗ではインバウンドの利用率に差がありますが、切り分けるのは難しいため、ある程度『面』で押さえていきたいです」と話している。