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日本でキャッシュレス化に寄与した事象は?

2019年2月18日8:00

2018年は、“キャッシュレス”という言葉がかつてないほど盛り上がった1年だった。TIプランニングでは、2019年3月20日にレポート「キャッシュレス2020」を発行する予定だ。同レポートは海外および国内のキャシュレス化の状況について、数百ページにわたり紹介している。本日から、同レポートを部分的に紹介する。現金決済が幅を利かす日本で、これまでにキャッシュレス化に寄与した事象がある。

給与振込と公共料金などの口座振替の普及

その事象とは、1970年代からの給与振込と公共料金などの口座振替の普及、1980年代から1990年代にかけてのアウトバウンド(日本人の海外旅行)の増加、1990年代から2000年代のインターネットによるEコマースの普及・拡大である。

1960年代までは大半のサラリーマンは毎月の給与と年2回のボーナスを給与袋に入れられた現金で支給されていた。こうした当時の日本の大半のサラリーマンの家計は、ほぼ100%が現金による決済(支払い)であった。ちなみに、この時代欧米先進国では、給与は小切手で支給され、当座預金口座で小切手の取り立てを行い、決済口座である当座預金口座に入金され、家計の多くの決済(支払い)は小切手を通じて行われていた。

1970年代からの給与振込スタートにより、日本でも毎月の給与と年2回のボーナスは、まず銀行など金融機関の預金口座に入金されるようになっていった。給与振込とともに公共料金などの口座振替(ダイレクトデビット)が普及し始め、公共料金などの口座振替が日本におけるキャッシュレス化の始まりとなっていった。

アウトバンドとEコマース

次いで1980年代から本格化していった日本人の海外旅行(アウトバウンド)と2000年代から普及し始めたEコマースが、日本におけるキャッシュレス化を促してきた。なぜなら、海外へ旅行すると、日本の通貨である円の硬貨や紙幣は使えず、旅行先の通貨に両替を行うことになり、自ずとクレジットカードのお世話になる。それでもクレジットカードになじめない日本人の旅行者は海外にも多額の現金を持って行き、そのことが知れ渡り、犯罪のターゲットとなっていた。

インターネットやモバイルのオンライン環境のEコマースやMコマースでは通貨単位としての円は用いられても、円の硬貨と紙幣といった現金の利用ができないので、クレジットカードや各種オンライン決済のお世話になる。EコマースやMコマースの決済は、着払い(Cash On Delivery)を除いて、キャッシュレスである。実際、1980年代から90年代にかけての海外旅行ブームと2000年以降のインターネットの普及によるEコマースやMコマースにより、現金決済に取って代わってクレジットカードや電子決済などのキャッシュレスが拡大している。