enterPAYment

Menu

会津若松市のICTオフィス「AiCT」開設、決済データ活用などデジタルスマートシティ実現を目指す

2019年4月23日9:00

会津若松市のスマートシティの拠点となるICTオフィス「AiCT(アイクト)」の開所式が2019年4月22日に行われた。AiCTは、AiYUMU(アユム)と会津若松市の官民の共有で所有する。開所式には、国、および県の関係者、入居企業、入居を検討する企業などが参加した。

開所式のテープカットの様子

官民連携でデジタルスマートシティを推進
「スマートシティ会津若松」の拠点に17社が入居

AiCTは、「スマートシティ会津若松」の拠点となる施設で、アクセンチュア、TIS、エフコム、エヌ・エス・シー、イノーバ、エムアイメイズ、イクシング、デザイニウム、フィリップス・ジャパン、SAPジャパン、日本マイクロソフト、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC+凸版印刷)、會津アクティベートアソシエーション、日本電気、アイザック、三菱商事、シマンテックの17社の進出が決定している(予定含む)。AiCTでは、長期から短期まで、企業の規模に応じて、オフィススペースが利用可能だ。現在も複数社が入所を検討している。

会津若松市は、市民が安心して快適に生活できるまちづくりに取り組んできた。また、国の成長戦略に基づく「地域活性化モデルケース」事業の採択を受け、ICTの活用や地域イノベーションの展開による地域産業の成長促進、これに伴う人材育成や実証フィールドの整備など、精力的に活動している。

開所式で会津若松市長 室井照平氏は、「ICT専門大学である会津大学が立地する優位性を生かし、若者の地域定着、地域経済の活力、維持、発展を図るため、首都圏の多くのICT企業を誘致し、働く場所としてICTオフィスの環境を整備しました」と説明した。同オフィスには、日本の幅広い企業に加え、世界的な企業も入居している。産学官連携の推進により、地方都市でありながらグローバルなICT産業の発展と振興に寄与することを目指すとした。

開所式での会津若松市長 室井照平氏の挨拶の様子

産学官に加え、金労言の理解を得る
アクセンチュアは250名を配置予定

AiCTの開設においては、アクセンチュアが構想当初から積極的に取り組んできたが、情報通信技術(IT)政策担当 内閣府特命担当大臣 平井卓也氏は、出張ベースではなく、会津若松に移り住んで、地方創生を進めていたことが大きかったとした。これにより、産学官に加え、金労言(金融、労働、言論)の理解を得て、進めたことがAiCTの開所につながった。

22日の開所式の後には、アクセンチュアのイノベーションセンターの移転・拡充についての記者説明会も行われた。アクセンチュアでは、2011年以降、会津若松市だけではなく、福島県の各地で医療、 教育、 エネルギー、 観光など幅広い領域でプロジェクトを実施してきたが、センターを移転・拡充し、同センターに250名を配置する予定だ(現在は200名程)。

アクセンチュア 代表取締役社長 江川 昌史氏によると、AiCTは、首都圏の高付加価値機能の一部を会津若松市に移転することで、先端技術を実証する場とすることで、時代を担う産業の地方で育成していきたいとした。具体的には、東京ソリューションセンターのサテライトオフィスとして、基幹系システムの開発やテスト事業などを一部移転し、IoTなど先端技術開発を行う。また、グローバル先端技術を集積するとともに、産学官連携による実証実験を強化する方針だ。

アクセンチュア 代表取締役社長 江川 昌史氏

アクセンチュアの会津若松市での取り組みとして、すでに 会津若松市民向け地域情報プラットフォーム「会津若松+(プラス)」を開設し、市民が提供する属性情報に合わせて、パーソナライズされた「10分圏内の生活情報」が手に入るサービスとして、会津若松市民の20%に利用されているとした。また、観光分野では、2018年の外国人宿泊数が2015年比で5.3倍となる効果があった。

会津若松デジタルスマートシティのビジョンについては、アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター長 中村 彰二朗氏が説明した

デジタルスマートシティの取り組みを8分野で進める
地域に決済やポイントのデータが落ちる仕組みを構築へ

会津若松市のデジタルスマートシティでは、モビリティ、フィンテック、教育、ヘルスケア、エネルギー、観光(インバウンド)、農業、ものづくりの8分野での取り組みを進めている。フィンテック分野では、地域共通のID決済によるキャッシュレス基盤の整備をTISと連携して行う予定だ。

アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター長 中村 彰二朗氏は、「世にある通貨が共通で使えるインフラを作ることを考えています。今年からデジタルキャッシュが広がりますが、決済会社だけにデータが飛んだのでは地域の発展には寄与しません。地域にデータが落ちるモデルを初めて構築します」と説明した。地域で市民の承認を得た決済やポイントなどの購買データを集積することで、市のさまざまな産業が発展していけるようなデータの利活用を目指す。