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中国のモバイル決済「WeChat Pay」の日本での加盟店数が1年で665%増に、販促サービスも強化

2019年7月22日8:45

テンセント・ホールディングス・リミテッドは、2019年7月18日に東京都内で「WeChat(微信)」のビジネスソリューションや成功事例を紹介するイベント「2019 WeChat オープンクラス 東京」を開催した。当日は、「WeChat Pay日本事業の発展と事例」について、WeChat Pay リージョナルディレクター 中島 治也氏が紹介した。

WeChat Pay リージョナルディレクター 中島 治也氏

さまざまなサービスを利用できる「ミニプログラム」を提供

国内の訪日外国人の状況として、2018年は3,000万人を突破し、2020年の4,000万人の突破の目標も現実味を帯びてきた。また、2013年からの平均で毎年25%の成長を果たしている。その中で、訪日する中国人は2013年から年平均成長率45%、近年では毎年100万人の増加となっており、安定して成長を続けているとした。さらに、2019年の第一四半期の中国人消費は、約4,000億で、訪日外国人全体の36%を占めている。台湾や韓国に比べても倍以上の消費となっており、平均単価も高い。中島氏は、「今後も中国人観光客にとって日本の存在は魅力的であり続けるものと認識しています」とした。

「WeChat(微信)」は、中国最大のコミュニケーションアプリとなり、2019年3月末時点で月間MAU(マンスリーアクティブユーザー)は11億を突破した。中国の人口が13億であるため、スマホ利用者のほとんどがアプリをダウンロードしていると自負しているそうだ。また、「WeChat Pay(微信支付)」は8億以上のユーザーを有しており、中国の生活に欠かせない存在となっている。現在は40%の中国人が現金を100元以下しか持たないと言われる。また、数千万店舗単位で利用可能なWeChat Payは、お財布を持たなくても生活できる世界を中国で実現している。中島氏は、「買い物だけではなく、宿泊、交通機関、行政サービス、教育、シェアリングサービスまで多様に使われており、日本とは全く異なった発展の仕方をしています」と話す。

そのうえで、バーチャルなサービスを生活に浸透させるため、2017年に「ミニプログラム」を開発した。WeChatのミニプログラムを使えば、各サービスのアプリをそれぞれダウンロードすることなく、バイクをレンタルしたり、公共機関でバスの時刻表を調べることが可能だ。さらに、画像認証を応用して、植物の写真を撮ると植物館にアクセスしたり、小売店や飲食店の販促サービスとして利用されている。また、政府機関でも応用されており、たとえば遭難に近い状態になっても、政府機関の緊急ホットラインにつないで助けを呼ぶことが可能だ。広告・マーケティング分野でもQRコードを通じてサービスを申し込める。中国では、リアルとバーチャルのサービスの垣根がなくなってきており、WeChatはその中心的な役割を果たしているそうだ。

日本での決済件数は108%増

現在、世界でWeChat Payが使える地域は49を超えた。日本でも多数の加盟店が採用しており、16通貨を取り扱っている。日本事業も成長しており、2018年6月からの1年で決済件数は108%増、使える加盟店数は665%増となった。以前は限られた店舗でしか利用できなかったが、ドラッグストア、国際空港、コンビニエンスストア、飲食などで利用範囲が増えている。

また、日本の店舗を中国人観光客が身近に感じてもらえるように積極的なキャンペーンを実施。夏休み、年末年始、国慶節、春節などのシーズンには割引キャンペーン、紅包(ホンバオ)、ホリデーキャンペーンなどを実施してきた。さらに、11億のトラフィックを利用したモーメンツ広告を加盟店に提供している。WeChatの公式アカウントを通じて、加盟店と中国人消費者のつながりを作ってきた。さらにWeChatのプラットフォームに限らず、中国で普及しているショートビデオ、OTA(Online Travel Agent)、旅行サイトと提携して利用可能な店舗について発信をし続けてきた。

日本では、モバイル決済・送金サービス「LINE Pay」との取り組みを実施。加盟店にとっては、中国、日本で主要なモバイルQR/バーコード決済の両サービスを対応可能だ。

日本でWeChat Pay公式のミニプログラム「海外ギフトパック」リリース

さらに7月から、海外ギフトパックという、WeChat Pay公式のミニプログラムをリリースした。これは、公式に運営するお得な海外でのクーポンのまとめサイトであり、QRコードをスキャンすれば、その時々に合ったお得なクーポンを手にできる。日本でも専用のエリアページを設置。利用者は、日本でQRコードをスキャンするとWeChat Payの導入店舗、公式に提供しているメンバーズカードや割引などが確認できる。同プログラムの加盟店のメリットとして、ミニプログラムはアプリを作る必要があったが、開発能力がなくても自社のページを持ちたい加盟店にまとめサイト上での専用ページを提供している。日本の加盟店は、必要な素材を提供するだけでページを持つことが可能だ。また、毎回新しいキャンペーンごとにポスターを貼りかえる、販促物を置き直す必要があったが、ギフトパックのQRコードを置くだけで、時々に応じて販促物を置き換えることなく、利便性を提供できる。

マツモトキヨシ、関西エアポート、良品計画、阪急阪神百貨店の活用事例は?

日本での事例として、マツモトキヨシでは影響力のある公式アカウントを長く運営している。マツモトキヨシでは、中国でも類を見ない公式アカウントを保有しており、販促ツールとして活用している。モーメンツ広告を活用して、利用者をアカウントに誘導し、広告販促からクーポン配信して来店をつなげ、その利用者とは来店後もコミュニケーションを図っている。

また、中国人の来日拠点としても利用者が多い関西エアポートでは、加盟店専属ページを用意して、為替優待が受けられるメンバーズカード、割引券のほかに、クーポン券が受け取れる。それをレジに設置して、すぐにその場で買い物ができるようになっている。WeChat Payの決済も導入して間もないが、大きな決済額となっているという。

良品計画では、日本での導入を機に、クロスボーダーでのプロモーションを提案した。日本の店舗で決済すると、中国の無印良品店舗で使えるミニプログラムをレシート画面に提示。これにより、中国で使えるアプリ「MUJI passport」で、日本で買い物をした後に受け取れて、中国の店舗に来店する動機づけを促した。SNSを活用するとクロスボーダーのマーケティングにもつなげることが可能だ。

さらに、阪急阪神百貨店とは、2019年6月16日にWeChat Payスマート旗艦百貨店フラッグシップ百貨店としての協業を発表した。阪急阪神百貨店では、2018年に、店員を介さずに注文できる「レストラン QRコードオーダー」、2019年には、AI(人工知能)を活用した「店内案内」、海外VIP顧客クラブの会員カードの「電子会員化」、阪急阪神百貨店の会員システムと連動し、従来の会員カードをモバイルへ移行。ポイント、割引、免税などの会員優遇が受けられる「VIP顧客クラブミニプログラム」を行っている。